要注意!身近なアレルギーが原因のアナフィラキシーとは

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2012年2月、東京でアナフィラキシーによる 悲しい事故が起きました。

11歳の女の子が学校で給食を食べ、 アナフィラキシーを起こし亡くなったのです。

アレルギーの出るチヂミを食べたことが原因でした。

この事件はニュースや新聞でも報道され、 アナフィラキシーという言葉を耳にすることが増えました。

しかし、その情報のほとんどは、 アレルギーやアナフィラキシーは危険だ、 命を奪うものだと不安になるものばかりです。

そのため、自分や子供にもアレルギーがあるけど大丈夫なのか、 アナフィラキシーになったらどうしようと、不安に感じているのではないでしょうか。

そこで今回は、身近なアレルギーとアナフィラキシーの関係について、わかりやすくまとめました。

少しでもあなたの不安が解消できれば幸いです。

 

 

 

 1.アレルギーとアナフィラキシーの違いとは

最近はアレルギーが身近な病気になりました。

大人から子供までアレルギーを持っており、日本でもその数が年々増加しています。

5人中3人がアレルギーを持っているとも言われます。

このようにアレルギー患者さんが増えるにつれて、 その危険な側面も見えてきました。

それがアナフィラキシーです。

 

1-1.アレルギーは免疫異常が原因

アナフィラキシーを理解するためには、 まずアレルギーについて知ることが大切です。

アレルギーというのは、 本来は体を守る働きである免疫機能の過剰反応のことです。

例えば風邪の原因となるウイルス、 つまり外敵を退治するのが本来の免疫機能です。

しかし、アレルギーの場合は、 体にとって外敵ではないようなものに過剰反応を起こし、 自らの体を傷つけてしまいます。

その結果が様々な症状として現れているのです。

例えば卵アレルギーの場合には、 本来は栄養となる卵を敵とみなしてしまい、 これを攻撃した結果としてじんましんなどの症状が出ます。

卵のようにアレルギーを引き起こす 原因物質のことをアレルゲンと呼びます。

アレルゲンを食べる、触れる、吸い込む、注入されるなど、 体の中に入り込まれることでアレルギーを引き起こします。

 

1-2. アナフィラキシーとは危険なアレルギー症状

3ナフィラキシーというのは、 複数のアレルギー症状が全身に起こることを言います。

つまり、アナフィラキシーとは病気の名前ではなく、 重大なアレルギー症状のことです。

アレルゲンが体の中に入った後、 突然、短時間のうちに全身にアレルギー症状が起こります。

重症の場合には命の危険もあり、 応急処置や緊急の治療が必要となります。

 

 

 

 

2.アナフィラキシーを起こす身近なアレルギーとは

アレルギーには様々な種類がありますが、 その中でもアナフィラキシーを起こすのは、食物アレルギー蜂毒アレルギー薬物アレルギーに多くみられます。

 

2-1.食物アレルギー

食物アレルギーとは、 特定の食物が原因で起こるアレルギーのことです。

乳幼児や子供に多く見られますが、 最近は成人でも増えています。

次のような食物が原因となり、 アナフィラキシーが起きます。

小児 鶏卵、牛乳、小麦、甲殻類、そば、ピーナッツ、ナッツ類、ごま、大豆、魚、果物など
成人 小麦、甲殻類、果物、大豆(豆乳)、ピーナッツ、ナッツ類、アニサキス、スパイス(マスタード、コリアンダー、唐辛子、クミン)、そば、魚など

 

2-2.蜂毒アレルギー

1度蜂に刺されたことがある人は、 蜂毒アレルギーになっている可能性があります。

初めて蜂に刺されると、その毒が体の中に入ります。

すると体の中では、 この毒を排除する免疫機能が備えられます。

この状態で再び蜂に刺されると、 蜂毒に対する免疫機能が過剰に働いてしまい、 アナフィラキシーが起こります。

特にスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチには注意が必要です。

また、初めて刺された場合でも アナフィラキシーを起こすことが報告されているので、 1度も刺されたことがないから大丈夫と油断は禁物です。

 

2-3.薬物アレルギー

薬に対するアレルギーでもアナフィラキシーが起こります。

特に、抗生剤、解熱剤、鎮痛剤、造影剤が原因となります。

他にも、全身麻酔薬、局所麻酔薬、抗腫瘍薬や、 リウマチの治療に使われる生物学的製剤でも起こります。

 

2-4.その他の原因

以上のようなアレルギーが原因となり、 アナフィラキシーが起こるとよく言われますが、他にも次のようなものもあります。

・アトピー性皮膚炎
・気管支喘息
・アレルギー性鼻炎
・ラテラックスアレルギー(ゴムアレルギー)
・花粉食物アレルギー(花粉症が原因で起こる食物アレルギー)
・運動誘発アナフィラキシー(運動が原因となるアナフィラキシー)
・食物依存性運動誘発アナフィラキシー(食後の運動が原因となるアナフィラキシー)
・輸血
・クラゲに刺される
・ハムスター、アリに咬まれる

 

 

 

 

3.アナフィラキシーの危険な症状の見分け方

なぜアナフィラキシーは命の危険があるのでしょうか。

それは複数のアレルギー症状が短時間に起こり、 全身を傷つけてしまうからです。

これは表面的な目に見える症状だけではなく、 内臓や脳、神経にまで影響が及びます。

そのため命の危険があるのです。

特に、次のような心臓や呼吸に関する症状が見られる場合は、 重症化する危険信号なので注意が必要です。

・息苦しく、呼吸困難がある
・意識がもうろうとする、気を失う
・血圧が下がり、脈が触れなくなる
・全身がむくむ、全身に赤みが出る
・吐き気や下痢がひどい

このようなショック症状と言われる血圧低下や意識障害を伴う場合は、 アナフィラキシーショックと呼ばれ、 早急な対処や治療が必要になります。

他にも次のような症状が起こります。

部位 症状 発現頻度
皮膚 全身のかゆみ、じんましん、腫れる、赤くなる、湿疹 80〜90%
充血、腫れ、かゆみ
呼吸器 くしゃみ、鼻水、鼻づまり、

口・舌・のど・唇の違和感や腫れ、のどのかゆみ・イガイガ感、

呼吸困難、のどが締め付けられる、ゼーゼー・ヒューヒューした呼吸、声がかすれる

70%
消化器 持続する強い腹痛、繰り返す嘔吐、下痢 45%
心臓 頻脈、不整脈、動悸、血圧低下、失神、心停止 45%
神経 意識もうろう、ぐったりする、尿や便をもらす 15%

 

 

 

 

 

4.短時間で急激に起こるアナフィラキシー

命の危険を伴うような重症のアナフィラキシーの場合には、 その多くが短時間で急激に症状が進みます。

このような即時型の多くはアレルゲンが体に入ってから、 30分ほどで症状が始まり、2〜3時間ほど続きます。

中には数分で急激に症状が悪化し、 呼吸困難、心肺停止といった危険な状態に至る場合があります。

これとは異なり、 アナフィラキシーが起こるまでの時間が長い場合もあります。

これを遅延型と言い、5〜6時間後から症状が始まり、 徐々にひどくなって1週間ほど続くこともあります。

また、一度改善した後に再び症状が出ることもあります。

しかし、このパターンに決まったものはなく、 同じ患者さんでもその時によってどこに症状が出て、 どのように経過していくのかは違ってくるので注意が必要です。

 

 

 

 

5.アナフィラキシーの最大の治療は予防すること

起きてしまったアナフィラキシーの症状は、 薬などの適切な処置や治療で改善することができます。

しかし、アナフィラキシーを未然に防ぐ薬はありません。

ではいつ起こるかわからないアナフィラキシーに対して、 常に恐怖を感じることになるのかと言えばそうではありません。

アレルゲンを体の中に入れなければ、 アナフィラキシーは起きないのです。

つまりアナフィラキシーから身を守るには、 アレルゲンを体の中に入れないための予防が重要だということです。

そのためにまず必要なことは、 アレルギー検査でアレルゲンを見つけることです。

アレルゲンがわかれば、 それを食べたり触れたり吸い込まないないようにすることで、
アナフィラキシーを防ぐことができます。

今まで詳しくアレルギー検査をしたことがなければ、 一度病院で検査を受けてみるのもいいかもしれません。

インターネットを使って、 アレルギー専門医を見つけることができます。

一度「「アレルギー専門医」と検索してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

6.もしアナフィラキシーが起きたら?緊急時の対処法とは

実際にアナフィラキシーが起きてしまった場合には、 急激に症状が悪化することがあるので早急な対処が必要になります。

特に、次のような症状には注意が必要です。

・息苦しく、呼吸困難がある
・意識がもうろうとする、気を失う
・血圧が下がり、脈が触れなくなる
・全身がむくむ、全身に赤みが出る
・吐き気や下痢がひどい

このような症状がみられた場合は、 まずは安静にすることが必要です。

仰向けに寝転がり、 クッションなどを使って足の位置を高くしてください。

無理に体を動かしたり立っていると、 症状が悪化することがあります。

その後は速やかに119番へ救急要請してください。

救急隊員はエピペンという薬を使った応急処置ができます。

その他の詳しい対処方法や応急処置は、 別記事で紹介しているのでそちらも参考にして下さい。

この記事の最後にご紹介しています。

 

 

 

 

7.まとめ

いかがだったでしょうか。

アナフィラキシーとは、 アレルギー症状が全身に多発する症状のことです。

心臓や呼吸、脳にまで症状が起こることがあるため、 重症の場合は命の危険があります。

アナフィラキシーは確かに危険な症状です。

しかし、アレルギー検査でアレルゲンを特定して、 体に取り込まないようにすることで未然に防ぐことができます。

ぜひ今回の記事を参考に、 アナフィラキシーから身を守っていきましょう。

あなたの不安が少しでも解消できていれば幸いです。

 

 

 

 


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