
「最近食欲がないな。」と感じていませんか?
食欲不振を放置しておくと、あなたの体は栄養不足になり、体重が減り、元気が出なくなってしまいます。
しまいには、栄養失調になり、様々な病気を引き起こす危険性があります。
そんな食欲不振を改善する方法として、意外と知られていないのがアロマです。
アロマは、ただいい匂いを嗅いで、気分を良くするものではありません。
日本では1980年代からアロマが本格的に導入され、まだまだ歴史は浅いですが、アロマの本場であるフランスでは、1960年代から「メディカルアロマテラピー」という分野が確立され、 医師の資格を持った者にしかアロマの処方は許されておらず、医療保険も適応されています。
世界に目を向ければ、それだけアロマの効果は、重要視されています。
それだけあって、体に作用するための、きちんとした科学的根拠も証明されています。
また、食欲不振には原因が様々ですが、今回は、食欲不振の原因別にアプローチする、厳選アロマをご紹介していきます。
- 目次
1.アロマが人の体に作用する3つのメカニズムとは?
1-1.鼻から脳へ作用するアロマ
1-2. 肺から作用するアロマ
1-3. 皮膚から作用するアロマ
2.アロマオイルの活用方法
2-1. 芳香法
2-2. マッサージ
2-3. 湿布
3.食欲不振全般に効果的なアロマオイル
4.食欲不振の原因別にみる効果的なアロマオイル
4-1. 睡眠不足に効果的なアロマ6選
4-2. 二日酔いに効果的なアロマ3選
4-3. 食べ過ぎに効果的なアロマ5選
4-4. 便秘に効果的なアロマ4選
4-5. 下痢に効果的なアロマ3選
4-6. ストレス過剰に効果的なアロマ5選
4-7. うつ病などの精神疾患に効果的アロマ7選
5.まとめ
1.アロマが人の体に作用する3つのメカニズムとは?
1-1.鼻から脳へ作用アロマ
鼻から吸い込んだアロマの香りの分子は、 鼻の奥にある嗅上皮(きゅうじょうひ)という粘膜に付着し、溶け込みます。
この嗅上皮にキャッチされた香りの情報は、脳の大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)という部位に直接到達します。
大脳辺縁系とは、睡眠や食欲などの人の本能に基づく行動や、 喜怒哀楽などの情緒行動を支配している部位です。
また、記憶とも密接に関係しています。
このため、香りを嗅ぐと感情が湧き上がったり、過去の記憶が瞬時に蘇ったりしてきます。
さらに、香りの情報は、脳の大脳辺縁系から視床下部(ししょうかぶ)へと伝えられます。
視床下部は、自律神経系や内分泌系(ホルモン)、免疫系をコントロールする、司令塔の役割を担っています。
自律神経とは呼吸や心臓の動き、消化など、無意識のうちに行われている機能を、調節するための神経です。
自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられます。
交感神経とは、活動している、緊張している、ストレスを感じている場合に働き、副交感神経は、体を回復している、休息、リラックスしている時に働きます。
この交感神経と副交感神経は、シーソーの様にお互いにバランスを取り合っていますが、体調の変化などでそのバランスが崩れ、 どちらか一方が、常に強い状態になってしまうと、体の様々な部分の調節が、上手くとれなくなってしまうのです。
アロマの香りは、自律神経などの司令を司る視床下部に作用しますので、アロマの香りを嗅ぐと、自律神経やホルモンバランスの乱れが整ったり、免疫力が高まりまるのです。
このように鼻から入った香りは脳を経て、全身の機能に影響を及ぼします。
出典:西東社 アロマテラピーの基本辞典
1-2.肺から作用するアロマ
香りを鼻から吸い込むと、脳に刺激が伝わるだけではなく、同時に、香りの分子は、喉や気管の粘膜からも吸収されます。
そして、吸収された香りの分子の働きで、 たんが過剰に出るのが抑えられたり、咳を沈められます。
さらに、気道を通った香りの分子は、肺に入って行きます。
その後、肺胞(はいほう)という肺の末端の部分にまで達し、わずかな量の香りの分子が、肺胞の血管に入ります。
そして、血流にのって全身を駆け巡り、各器官を活性化させるのです。
ちなみに、必要がなくなった香りの分子は、腎臓でろ過され、尿として排泄されます。
出典:西東社 アロマテラピーの基本辞典
1-3.皮膚から作用するアロマ
香りの分子は、マッサージなどで体に塗ることで、皮膚から吸収されます。
皮膚の表面には表皮があり、真皮(しんぴ)、皮下組織と続きます。
表皮にある角質層には、バリア機能があるため、物質を通しにくい性質があります。
ところが、アロマの香りの分子は小さいため、表皮を通過し真皮まで到達しやすいのです。
このため、アロマの香りの分子は、皮膚に直接作用することが可能になります。
真皮まで到達した香りの分子は、さらに皮下組織の中にある血管に入り込み、全身をめぐります。
そうすることで、血液の流れを促して老廃物を除去したり、全身の機能を活性化させたりします。
出典:西東社 アロマテラピーの基本辞典
2.アロマオイルの活用方法
2-1.芳香法
空気中にアロマの香りを漂わせて、その香りをかぐのが芳香浴です。
芳香浴は、鼻か脳へ作用する経路をたどり、全身へ作用します。
芳香浴を行う方法としは、
ディフーザー
超音波などでアロマオイルを霧状にして、空気中に拡散させる器具を使用する方法。
マグカップを使用
マグカップにお湯を入れ、アロマオイルを2~3滴たらし、香りを含んだ蒸気を漂わせる方法。
ティッシュペーパーやハンカチ使用
ティッシュペーパーやハンカチにアロマオイルを2~3滴たらし、鼻に近づけてかぐ方法。
アロマ入浴
湯を張った浴槽にアロマオイルを入れて、入浴する方法です。
鼻から吸い込んだ香りが脳、肺から全身へめぐる経路と、皮膚から吸収され、全身をめぐる経路からの効果がありますので、芳香浴よりも高い効果が得られます。
アロマオイルは、直接肌につけると刺激が高いので、必ず植物油とアロマオイルを希釈して使用して下さい。
植物油は、オリーブオイルやグレープシードオイル、ホホバオイル、スイートアーモンドオイルなどを使用して下さい。
2-2.マッサージ
アロマテラピーの中でも最も効果を実感しやすいのが、マッサージです。
皮膚から吸収され、全身をめぐる経路と、鼻から脳、全身をめぐる経路からの効果があります。
さらに、マッサージによって血液循環が促され、心身ともにリラックスできる効果があります。
マッサージ用のオイルを作る際には、必ずアロマオイルを、植物油で希釈して使用して下さい。
2-3.湿布
植物油10mlにアロマオイルを1~2滴混ぜたものを、お湯か水に浸したタオルをよく絞って、症状のある場所にのせます。
温湿布は、便秘、下痢、風邪、腰痛、肩こりに効果的です。
冷湿布は、頭痛、筋肉痛、日焼けなどに効果的です。
それでは、具体的に効果的なアロマオイルをご紹介していきましょう。
3.食欲不振全般に効果的なアロマオイル
ペパーミント:
メントール系の香りが、消化器系に特に強く働きかけます
マンダリン:
消化を促して食欲を刺激する作用があります。
腸に溜まったガスの排出にも有効です。
ライム:
消化液の分泌を促して、食欲を増進させる役割があります。
オレンジ・スイート:
胃の働きを整えて活発な活動を促します。
食欲増進、便秘ケアにも用いられます。
レモン:
食欲を増進させたり、腸内のガスを排出させたり、 消化器系バランスを取り戻したい時に有効です。
スペアミント:
ペパーミントよりもマイルで甘い香りです。
吐き気を押さえ、消化器系を活性化し、強化する作用があります。
4.食欲不振の原因別にみる効果的なアロマオイル
食欲不振といってもその原因は様々です。
こちらでは、食欲不振の原因となっている症状に、効果的なアロマオイルをご紹介していきます。
4-1.睡眠不足に効果的なアロマ6選
ラベンダー:
フローラルで軽い爽やかな甘い香りで、 心地よい眠りを促す働きがあります。
ローズウッド:
精神の高ぶりを鎮め、穏やかにする作用があります。
ベルガモット:
穏やかでバランスのとれた精神状態に導き、睡眠を促します。
ゼラニウム:
ホルモン分泌や自律神経のバランスを調整することで、
眠りを促します。
ネロリ:
不安や恐怖を和らげてリラックスさせ、幸福感をもたらします。
カモミール・ローマン:
りんごのように甘く、フルーティーな香りで、心地の良い眠りを促します。
不眠の時は、芳香法やアロマ入浴がおすすめです。
4-2.二日酔いに効果的なアロマ3選
スペアミント:
吐き気を抑え、二日酔いを改善させます。
ゼラニウム:
ほのかにローズを思わせる甘い香りが特徴で、二日酔いによる吐き気に効果的です。
ネロリ:
体を活性化させる作用があります。
また、消化を促うながす作用がありますので、飲み過ぎによる胃の不快感を解消してれます。
飲み過ぎの時は、
芳香法や首筋のマッサージがおすすめです。
4-3.食べ過ぎに効果的なアロマ5選
スペアミント:
胃の周りの筋肉をリラックスさせ、消化器系を活性化し、強くさせる働きがあります。
ネロリ:
消化を促してくれる作用があります。
ストレスが原因の食べ過ぎにも効果的です。
ライム:
消化液の分泌を促して、食欲を増進させる働きがあります。
レモン:
食欲を増進させたり、消化器系のバランスを取り戻したい時に効果があります。
ベルガモット:
消化器系に働きかけ、胃の動きを促し、食欲を増進させますので、食べすぎによる胃もたれなどに効果的です。
食べ過ぎの時は、アロマ入浴、芳香浴、腹部のマッサージがおすすめです。
4-4.便秘に効果的なアロマ4選
ペパーミント:
消化器系に強く働きかけ、便秘の改善に役立ちます。
オレンジ・スイート:
胃腸の痙攣を抑える自然薬として、古くから利用されてきました。
消化器系に作用して、腸の働きを整えて活発な活動を促します。
マンダリン:
腸に溜まったガスを排出するのに効果的です。
ベルガモット:
穏やかに排便を促す作用があり、腸内に溜まったガスを排出して、腸の働きを整えます。
便秘の時は、腹部の湿布、腹部マッサージがおすすめです。
4-5.下痢に効果的なアロマ3選
ペパーミント:
清涼感のあふれる強いメントール香りで、消化器系に強く働きかけます。
カモミール・ローマン:
精神的なストレスが原因に下痢に効果的です。
マージョラム・スイート:
不安やストレスを緩和する作用があります。
また、ギリシャでは薬草として幅広く使用されていました。
精神的なストレスが原因の下痢の他にも、風邪、感染症による下痢にも効果的です。
下痢の時は、腹部の湿布、アロマ入浴がおすすめです。
4-6.ストレス過剰に効果的なアロマ5選
ネロリ:
慢性的な不安感や、ふさいだ気分などを軽くして、ストレスを取り去ってくれます。
レモングラス:
精神的に疲れている時に、爽やかな香りが心を刺激して、元気な状態に導いてくれます。
オレンジ・スイート:
心の疲れや不安、イライラを解消し、安定した精神状態に導きます。
ラベンダー:
副交感神経に作用して、自律神経のバランスを整えます。
心を正しい状態に導きます。
カモミール・ローマン:
高ぶっている精神を鎮め動揺を抑え、精神状態を安静に導きます。
ストレスが過剰な時は、マッサージ、芳香法、アロマ入浴、芳香法がおすすめです。
4-7.うつ病などの精神疾患に効果的アロマ7選
オレンジ・スイート:
前向きで明るい気持ちに導きます。
パニック障害には使用されるケースが多いです。
ゼラニウム:
不安や無気力状態を和らげ、心を落ち着いた状態に導きます。
特に、更年期の不安定な気持ちをケアしたい時に役立ちます。
ベルガモット:
「自然から得られる抗うつ剤」と呼ばれるほどで、抑圧された感情と、漠然とした不安から心を解放し、穏やかでバランスのとれた精神状態に導いてくれます。
ラベンダー:
うつ気味な時は心を癒すように、 怒りやイライラで高ぶっている時は、 気持ちを鎮めるように作用します。
カモミール・ローマン:
神経系に作用するハーブとしての歴史は非常に古く、更年期のトラブルや、子供のかんしゃくを鎮める作用があります。
イランイラン:
怒りや不安、ショック、恐怖といった感情を落ち着かせます。
パニックになった時に冷静さを取り戻させたり、高ぶった神経を鎮めます。
ネロリ:
ヒステリーやショックを受けた時には、気持ちを落ち着かせる作用があります。
精神疾患の時は、アロマ入浴、芳香法、マッサージがおすすめです。
5.まとめ
食欲不振に効果的なアロマをご紹介してきました。
食欲不振といっても原因は様々で、アロマの効能も様々です。
原因を探らず、アロマを使用しても十分な効果を得られなかったり、逆効果になったりする場合があるので、注意して選びましょう。
あなたの食欲不振の原因を知り、効果的なアロマを選び、ぜひ、健康的な生活を取り戻しましょう。
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