疲労でイライラが続くときは病気?知っておきたい慢性疲労について

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仕事が忙しすぎたり、普段し慣れない運動をしたり、 人とのつきあいなどで気をつかい過ぎると、 グッタリ疲れることがあります。

ほとんどの疲労は、 一晩しっかり休息をとることによって解消されます。

しかし、休息をゆっくりとることができずに、 忙しい毎日が続き、疲労を回復することができないまま、 次の日の活動によってさらに疲労が蓄積され、 慢性的に疲労を溜めている人も多いかもしれません。

こういった「慢性疲労」の状態は、 仕事などのパフォーマンスを低下させるほか、 健康のためにも悪影響を及ぼすおそれがあります。

ですから生活を見直して、 無理をし過ぎないように気をつけることが大切です。

慢性疲労はどのような症状で、 どのように対処していけばよいのかを考えていきます。

 

 

 

1.慢性疲労とは

私たちは仕事や勉強、運動などを続けていると、 「疲労」を感じることがあります。

これは体を動かし続けることにより、 細胞が酸化ストレスによってダメージを受けるからです。

心身の疲労や、頭を使い続けて、 脳のはたらきが鈍ってくることにより、 脳神経が疲労を感じて行くのです。

疲れてくると頭や体の動きが悪くなってきたり、 元気がなくなってきたり、 イライラするといった現象が起こります。

疲労を感じるということは、 「心身を休めなさい」という体からの指令でもあるので、 休息をとることが必要になります。

しかし、中には重い疲労が長期間続き、 休息をとっても疲労が解消されずに、 日常生活に支障をきたすという人もいます。

これは単なる慢性疲労ではなく、 「慢性疲労症候群」とよばれる病気の可能性もあります。

この病気の原因ははっきり解明されていません。

考えられるのはストレス、 体質的な要因が組み合わさって引き起こされるケース、 内分泌系や脳神経系などの病気やウイルス感染、 アレルギーなどがあげられます。

また、ストレスによって、 免疫力が低下して発症していることも考えられます。

原因がよくわからなかったり、 特に原因が見当たらずにメンタルが原因と思われても、 詳しく全身の検査をしてみると内分泌系、 脳神経系の病気が原因であることが分かる場合もあります。

ウイルス感染の場合は、 風邪やヘルペスにかかった後に 発症することがあるとされています。

慢性疲労症候群を発症する人には、 アレルギー体質の人が多いことから、 アレルギーとの関連も考えられています。

 

 

 

 

2.慢性疲労の症状や期間

2-1.慢性疲労の症状

慢性疲労症候群というのは、 原因不明の強い疲労が6か月間以上続く病気です。

働き過ぎなど原因が分かっている 「慢性疲労」とは別のものです。

病院を訪れて全身の検査を受けても異常が見つかず、 特に疲れるような活動をしたわけでもないのに、 心身に強い疲労感が続いているというのが特徴です。

慢性疲労症候群には、 次のような症状がみられます。

・強い疲労感
・筋肉痛
・関節痛
・リンパ節の腫れ
・頭痛
・体のこわばり
・微熱
・思考能力の低下
・うつ・不安感
・睡眠障害
・光・音に過敏…など

また、起き上がれなかったり、 動けないほどの強い疲労感がありますので、 体に異常がないにしても本人にとっては、 相当な苦痛を伴うこともあります。

 

 

2-2.慢性疲労のチェック方法

1994年に制定された国際症例基準による慢性疲労症候群の基準によると、以下の点が挙げられています。

セルフチェックや知り合いで気になる人がいれば、 チェックに活用してください。

 

A.大基準

1.生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、 少なくとも6ヶ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す (50%以上の期間認められること)。

2.病歴、身体所見.検査所見で表2に挙げられている疾患を除外する。

B.小基準

ア)症状基準(以下の症状が6カ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること)

  1. 微熱(腋窩温37.2~38.3℃)ないし悪寒
  2. 咽頭痛
  3. 頚部あるいは腋窩リンパ節の腫張
  4. 原因不明の筋力低下
  5. 筋肉痛ないし不快感
  6. 軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
  7. 頭痛
  8. 腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛
  9. 精神神経症状(いずれか1つ以上)
    羞明、一過性暗点、物忘れ、易刺激性、錯乱、思考力低下、集中力低下、抑うつ
  10. 睡眠障害(過眠、不眠)
  11. 発症時、主たる症状が数時間から数日の間に発現

イ)身体所見基準(2回以上、医師が確認)

  1. 微熱、2. 非浸出性咽頭炎、3. リンパ節の腫大(頚部、腋窩リンパ節)

基準は、大基準2項目に加えて、小基準の「症状基準8項目」以上か、「症状基準6項目+身体基準2項目」以上を満たすと「慢性疲労症候群」と診断されます。また、大基準2項目に該当し、小基準で診断基準を満たさない例は「慢性疲労症候群(疑診)」とされています。

出所:厚生労働省 慢性疲労症候群診断基準 http://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/fatigue/fatigue03.html

できるだけ軽度のうちに、 「普通の疲労ではない」と気づいて、 病院へ行くことをお勧めします。

また、家族がこの症状に当てはまるという場合は、 受診を勧めることも大切です。

 

 

 

 

3.慢性疲労と病院

3-1.病院はどのようにして探せばよいのか

慢性疲労症候群といっても、 どの病院に行けば、どの科を受診すればよいかが、 検討がつかないという方もいらっしゃると思います。

また、慢性疲労症候群は、 診断までに時間がかかる病気です。

できれば、慢性疲労に詳しい病院を 受診するとよいと思います。

最近では、慢性疲労症候群を専門に診断、 治療する慢性疲労外来科を設けているところもあります。

病院を探すのは大変ですので、 全国のクリニック・診療所・医院・病院検索サービスである「病院なび」など、 全国の病院やクリニックを検索できるサイトを利用するのもひとつの方法です。

数は多くはありませんが、 お近くの地域の病院がどこにあるのかを探すことに役立ちます。

また、病院を探すのに役立つのが、 慢性疲労症候群の闘病をしている方のブログや、 患者の会のホームページです。

診断をしてくれる病院が紹介されていることもあるので、 参考にすることができます。

かかりつけの病院がある場合は、まずそこを受診し、 大学病院などに紹介状を書いてもらうこともできるでしょう。

 

3-2.病院を受診する前にしておきたいこと

慢性疲労症候群は、 検査に異常は出ないこともよくあります。

血液検査やホルモンや神経の検査をしても、 異常が見つからないため診断が下りにくく、 「気のせい」や「精神的な病気」と、 誤診されてしまうことも少なくありません。

そのため、 患者の自覚症状が診断基準に大きく影響を及ぼします。

・どんな疲労が、いつから出始めたのか、
・ほかのどのような身体症状が、いつから出始めたのか

などの状況を、できるだけ詳しく医師に説明しましょう。

事前にメモなどにまとめておくと わかりやすいと思います。

メモにするのを手間がかかると考える人がいますが、 この手間を惜しまないようにしてください。

メモにまとめると、 自分の症状の説明漏れが少なくなりますし、 説明しやすくなります。

医師も漠然と「疲労感が抜けない」と訴えられても、 なかなか診断をすることが難しいでしょう。

どのような症状がどれくらい続いたかがわかると、 診断しやすくなります。

 

 

 

 

4.慢性疲労の治療方法・薬

4-1.慢性疲労の治療方法とは

慢性疲労症候群かな~と感じたら、 まずはゆっくり休養することが症状の改善に効果的です。

ストレスをなるべく回避すること、 発症して重度にならないため、 また症状の改善のために必要だからです。

治療方法は、 主に投薬による疲労感の改善が、 主な治療法になります。

 

4-2.慢性疲労の薬とは

慢性疲労症候群の治療に使われる薬は、抗うつ剤、ステロイド剤、精神安定剤、そして漢方薬が一般的です。

症状が重いときは、 抗うつ剤やス抗不安剤、ステロイド剤の一種である コルチステロイド薬が使われることもあります。

これらには不安をやわらげたり、 心身の疲労をやわらげる効果があります。

ただし、副作用が表れる場合もあります。

また、症状が軽度の場合は、 免疫力を高める漢方薬などを利用し、 体質改善を目指すように指導されることも多いようです。

漢方薬は、副作用が少なく、 効き目の穏やかです。

漢方薬以外の薬は、体に合えば、 症状がいちじるしく改善する可能性があります。

しかし、勝手に量を増やしたり独断でやめたりすれば、 眠気、だるさ、症状のリバウンドなどの 副作用が出る可能性があります。

医師の指示に従い、 用法と用量を必ず守って服用しましょう。

漢方薬は、症状が緩和した後で、 体質改善のために使われることが多いため、 長期間飲み続けることで、効果を発揮します。

ですから、「効果が出ないから」と 勝手に服用を中断しないようにしましょう。

漢方薬を取り入れたい場合は、 「漢方を服用してみたい」と医師に相談すれば、 処方箋を書いてくれるでしょう。

漢方を治療に積極的に取り入れている病院や、 漢方薬局で処方してくれます。

 

 

 

 

5.まとめ

慢性疲労症候群というのは、 原因不明の強い疲労が6か月間以上続く病気です。

働き過ぎなど原因が分かっている 「慢性疲労」とは別のものです。

慢性疲労はどのような症状で、 どのように対処していけばよいのかを考えてきました。

病院を訪れて全身の検査を受けても異常が見つかず、 特に疲れるような活動をしたわけでもないのに、 心身に強い疲労感が続いているというのが特徴です。

病院を受診しても、慢性疲労症候群は、 劇的に回復してすっかり完治するという例は少ないようです。

症状が一進一退をくりかえしながら、 少しずつ回復していく方が一般的でしょう。

なお、少しよくなったからといって無理をすると、 症状がぶり返すことも珍しくありません。

周囲の人からは、 仮病とか怠けていると誤解されがちですが、 当事者は相当に辛いことも多いようです。

当事者と一緒に家族も一緒に病気に関する知識を得て、 治療をサポートしてください。

 

 

 

 

 

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