ダイエットで病気にならない体をつくる!

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昔と比べて、食事量は変わらないのに 太りやすくなったと感じていませんか。

昔と体重は変わらないのに、 お腹だけがポッコリ出てきていませんか。

健康診断を受けると、必ずお腹まわりを測ります。

メタボリックシンドローム(以下「メタボ」といいます。)か、 どうかを調べているのです。

今では、メタボというと「太っている人の代名詞」のように使われています。

メタボは、“内臓脂肪症候群”と呼ばれ、 複数の病気や異常が重なっている状態を表します。

腸のまわりにたまる内臓脂肪の蓄積によって、 高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が 重なっているということです。

それぞれが軽症や予備群(病気になる可能性のある人)の状態であっても、 2つ3つと重なると様々な病気を進行させるリスクが高くなるのです。

40~70歳の男性2人に1人、 女性5人に1人がメタボという統計結果が平成18年に 国民健康・栄養調査より出されています。

ポッコリお腹は、見た目だけでなく、 健康面でもデメリットが多いのです。

ダイエットをしましょう。

ここでは、メタボ対策に適切な病気にならない 体をつくるダイエットをご紹介します。

 

 

2.肥満度チェック

十分に痩せている方はダイエットをする必要がありません。

まず、肥満度をチェックし、ダイエットが必要かどうかを確認しましょう。

肥満度をチェックするとき、 BMI(Body Mass Index)が参考になります。

BMIは次の計算式から求めることができます。

BMI = 体重(キログラム)÷ 身長(メートル)÷ 身長(メートル)

一般にBMIが大きいほど、肥満の程度は大きくなります。

ただし、スポーツ選手など、 筋肉や骨の割合が大きい人は脂肪が少ないので、 BMIが大きくても肥満とはいえません。

それでは、具体的にBMIを計算し、 肥満度をチェックしてみます。

体重(54キログラム) ÷ 身長(1.67メートル) ÷ 身長(1.67メートル) = 19.4

このケースでは、肥満度は普通で ダイエットをする必要はありません。

身長167センチメートルの肥満度は次のとおりです。

肥満度 体重 BMI
低体重 51.5以下 18.5以下
普通 51.6~69.7 18.6~25
肥満度1 69.8~83.7 25.1~30
肥満度2 83.8~97.6 30.1~35
肥満度3 97.7~111.6 35.1~40
肥満度4 111.7以上 40.1以上

 

 

 

2.太る理由

なぜ中年太りになるのか。

理由は、新陳代謝が低下するからです。

新陳代謝には、基礎代謝と活動代謝の2つがあります。

基礎代謝は、1日、 何もせずに布団に寝ているだけで 消費されるエネルギーです。

主に、筋肉や内臓で消費されます。

活動代謝は、日常生活や運動などで 消費されるエネルギーです。

これは、運動を継続的に行っているかどうか、 デスクワークか否かなど、 生活によって大きく変わってきます。

基礎代謝および活動代謝ともに、 年を重ねるごとに低下していきます。

つまり、新陳代謝が落ち、エネルギーが必要なくなっているのに、 食事が以前のままだと、エネルギーが体内で余ります。

これにより、余分なエネルギーが体脂肪として蓄積され、 自然と太ってしまうのです。

酸素や栄養素などが体内に取り込まれることで、 エネルギーが生み出され、神経が働き、体が動きます。

体内に取り込んだ酸素や栄養素の分解産物 (体が血栓を分解した後に血流に残る物質です)や 老廃物(体が必要な栄養を作り出す際に生み出された残りかすです)は、やがて排出されます。

ところが、年を重ねることによって新陳代謝が落ちているところに、 栄養バランスの偏り、運動不足や睡眠不足によって、 出るはずのものが体内にたまってくると、 体に不調が現れ、メタボになるのです。

 

 

 

 

3.具体的な方法

3-1.食事制限

使うエネルギーをとるエネルギーよりも多くすれば、 体重を減らすことができます。

つまり、体重を減らすには、
・食生活を改善して摂取カロリーを抑える
・運動して消費カロリーを上げる
ということです。

どんなダイエットも食事制限と運動は基本となります。

どちらかがゼロでは効果がないのです。

しかし、より効果があるのは、 食生活を改善して摂取カロリーを抑えることです。

理由は、運動で消費されるエネルギーが 食事で取ったエネルギーを上回ることは、 ほぼ不可能だからです。

42.195キロのフルマラソンを走って消費されるカロリーは、 約2,500キロカロリーといわれています。

一方、1キロの体脂肪を減らすのに必要なカロリーは、 約7,500キロカロリーといわれています。

つまり、運動だけで体重を減らすことは無理なのです。

ここまで、読んでこられた方は、 食生活を改善して摂取カロリーを抑えることの 大切さを理解できたと思います。

ここで注意が必要です。

それは、カロリー全体、 食事全体を減らしてしまうと、 筋肉も落ちてしまうということです。

筋肉が落ちるということは、 基礎代謝が落ちるということです。

これは、必要なエネルギーが 小さくなるということです。

食事を少し戻しただけで、 エネルギーが余ってしまうのです。

その結果、太ってしまいます。

これがリバウンドです。

人を太らせるのは糖質です。

糖質と聞いて思い浮かべるのは、 白米、パン、そばなどの炭水化物だと思います。

ところが、糖質は、野菜やフルーツなど、ほとんどすべての食べ物に入っています。

糖質を多くとると太るのはなぜでしょう。

糖質が体内に入ると、次のような反応が起きているのです。

①糖質を食べる
②糖質がブドウ糖に変わり、血糖値が上がる
③血糖値を下げるインスリンが分泌される
④インスリンが糖分をエネルギーとして細胞に送りだす
⑤インスリンが余分な糖分を中性脂肪に変え、脂肪細胞に蓄える

③から⑤にインスリンが登場します。

インスリンはすい臓から分泌されるホルモンです。

糖質の摂取により上昇した血糖値をコントロールして 正常に保つという作用があります。

一方、エネルギーとして使われなかった血糖を 中性脂肪に変え、脂肪細胞に取り込んで蓄える働きもします。

こうして体内に脂肪を蓄積させるため、 インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれるのです。

糖質を多く摂取し、大量のインスリンが分泌されていると、 インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下します。

この結果、血管が広がりにくくなり、血液量も増え、血圧が高くなるのです。

これが、メタボの人に高血圧が多い理由です。

糖質をとり過ぎると、⑤にあるとおり、 インスリンの働きによって、 中性脂肪が作られ、内臓脂肪、皮下脂肪となるのです。

つまり、人を太らせるのは糖質であって、 カロリーではありません。

高血圧の原因となるのも糖質です。

糖質に含まれるカロリーは、1グラムあたり4キロカロリーです。

一方、脂質に含まれるカロリーは、 1グラムあたり9キロカロリーです。

摂取カロリーを抑えることだけを考えていると、 糖質より脂質をとるのを控えてしまいます。

しかし、脂質は、たんぱく質と共同して、 体の組織を構成する栄養素として利用されるものなのです。

ざるそば1人前(200グラム)とサーロインステーキ(200グラム)では、 どちらが太るのか考えたことがありますか。

ざるそばのカロリーは264キロカロリー、 サーロインステーキは996キリカロリーです。

カロリーはサーロインステーキが約3倍あります。

糖質を見ると、ざるそばの糖質は48.0グラム、 サーロインステーキは0.6グラムです。
糖質はざるそばが80倍あるのです。

粗食に見えるざるそばのほうが、 実は太りやすい食品なのです。

糖質だらけの食事から、 肉、魚、豆腐などのたんぱく質や 食物繊維の多い野菜をとることが 効果的なダイエットなのです。

 

 

3-2.代謝を上げる運動

やせやすい体を作るには、運動が大切です。

この場合、適度に筋肉がついていなければ、 いくら運動しても効果が上がりません。

筋肉がなければ 基礎代謝量が上がらないからです。

人が1日で消費するエネルギーのうち、約7割が基礎代謝によるものです。

やせやすい体を作るには、 筋トレにより筋肉をつけます。

そのうえで、有酸素運動を取り入れ、 持久力をつけ効率よく、 体脂肪を燃焼させる体にします。

有酸素運動とは、 規則的な動きをしながら続ける運動です。

代表的なものに、 ウォーキングとランニングがあります。呼吸しながら行うことで

体内に酸素を取り入れながら、体内の脂肪を燃焼させ、 それをエネルギーとします。

有酸素運動で脂肪燃焼させるには、 一定の心拍数で20分以上続けることが必要です。

有酸素運動は食後30分経過後に行うと 効果が上がります。

 

 

3-3.これをやってはダメ

糖質を減らすことについて書いてきましたが、 糖質を極端に減らすのはよくありません。

「低炭水化物ダイエット」のうち「アトキンスダイエット」といわれるものです(注)

炭水化物を一定期間とらないことで、 体の中のブドウ糖を減らし、 ケトン体を生成することで脂肪を燃焼させるダイエット法です。

(注)2003~2004年にブームになり、北アメリカでは成人の7人に1人が取り組むほどでした。しかし、2004年、ダイエットの1年後から頭痛や下痢など、炭水化物が少ないことによる副作用がみられるようになります。同年7月にはブームは去りました。

低炭水化物ダイエットには、 アトキンスダイエットより、 糖質制限が緩いものもあります。

体が脂肪を燃焼させるとき、 肝臓で作られるのがケトン体です。

ケトン体は、アセント、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸という、 3つの物質の総称です。

通常、脳はブドウ糖しか、 利用できないとされています。

しかし、ケトン体は、ブドウ糖の代わりに脳のエネルギーとして使われるといわれているのです。

脳以外にも、 様々な臓器のエネルギー源になるともいわれています。

アトキンスダイエットは、糖質を極端に制限し、 血液中のケトン体を増やして、標準的な値を超えた 「ケトーシス」と呼ばれる状態を作ります。

この状態では、脂肪が分解され、 主なエネルギー源としてケトン体が使われるため、 ダイエット効果が期待できるのです。

また、ケトーシスになると、 空腹を感じにくくなるといわれています。

アトキンスダイエットは、 脂肪燃焼の仕組みを利用するので、 ダイエット効果はとても高いといえます。

しかし、ケトーシスになるまでは、 炭水化物の摂取を厳しく制限しますので、 体がだるくなったり、
頭がボーッとしたりすることがあります。

また、ケトン体の濃度が高まるため、 体がケトン体を体外へ排出しようとして、 脱水症状を起こすことがあります。

さらに、ケトン体のアセントが原因で、 口臭や体臭が甘酢っぱいニオイ、 いわゆるダイエット臭になることもあります。

ダイエットは、自分の健康のため、 それから周りの人によく見てもらいたいため行うものです。

それなのに、体がだるい、脱水症状を起こす、周りの人に「口臭がひどい」、「ボーッとしている」と 悪い印象を与えたのでは意味がありません。

低炭水化物ダイエットのうちアトキンスダイエットについて、 英国の食品基準庁は次のように説明しています。

低炭水化物の食事では、でんぷんの質の多い食品(パン、穀類、米、パスタ、いも類等)を食べません。

 

でんぷん質の多い食品を食べないと、健康によくありません。なぜなら、様々な栄養素をとることができなくなるからです。また、低炭水化物の食事では脂質が多くなる傾向があります。脂質(特に肉やチーズ、バター、ケーキ等の食品に含まれる飽和脂肪酸)が多い食事は、冠状動脈性の心臓病にかかる可能性を増やします。

 

低炭水化物の食事では、くだものや野菜、食物繊維の量も制限するかもしれませんが、これらもすべて健康に不可欠なものです。

 

以上のことから、でんぷん質の多い食品を避けるのではなく、むしろそれらを基礎とした食事をとるのがよいでしょう。

栄養バランスの問題です。

日本人はエネルギーの約6割を、 炭水化物を含む糖質から摂取しているため、 完全に主食を抜くと栄養バランスが崩れます。

食物繊維不足になりやすいほか、 主食を食べずにおかずを中心に食べることになるので、 塩分やたんぱく質が過多になり、 腎臓や腸に負担がかかります。

糖質を極端に減らすのではなく、 過剰に摂取している糖質を適正な量にまで戻すのです。

 

 
<h2id=”07″>4.まとめ

筋肉は常にエネルギーを消費している部分です。

筋肉量を増やせば、 基礎代謝が上がります。

筋肉を作る大切な栄養素である、たんぱく質を取りましょう。

たんぱく質と食物繊維の多い野菜を多くとる分、 炭水化物を少し減らします。

炭水化物は活動するための エネルギー源として必要なものです。

このため、完全に抜くのではなく、 少し減らすだけです。

朝と昼は普通に食べて、 夕食だけ主食を控えめにします。

お菓子や砂糖の入った飲み物は避けます。

ラーメンとチャーハンのような 糖質の重なったメニューは避けるなど、 緩めの糖質制限がお勧めです。

ダイエットに理想的な食べ方は次のとおりです。

①野菜や海藻など食物繊維を多く含んだ具材で作った味噌汁やスープを最初に飲みます。
②ほうれん草のお浸しなど食物繊維の多い副菜を食べます。
③赤身肉などのたんぱく質とご飯を一緒に食べます。

正しいダイエットは、 人生に大きなメリットをもたらします。

運動で体を鍛え、素晴らしい食事で栄養素を取り入れ、 健康的で若々しい理想のボディを作ることは、 メタボ予防になるのです。

 

 

参考文献
・小林一行(2014)『腹が凹めば人生が変わる』かんき出版
・秋津壽男(2016)『ビジネスマンのお腹が凹むのはどっち』あさ出版
・藤田紘一郎(2012)『50歳からは炭水化物をやめなさい』大和書房

 

 

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