高額な不妊治療費用を軽くするための4つの方法とは

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不妊治療はお金がかかると言われますが、実際どれくらいかかるのでしょうか。結婚が晩婚化し、働く女性が増えていく中で、妊娠のタイミングが難しくなっていることもあり、不妊治療を行う人も増えています。

 

不妊治療に取り組むにあたって心配なのは、「いつ妊娠・出産できるのか」ということはもちろん、「費用が高額になるのでは・・・」ということです。実際に不妊治療を受けた人の中には、「赤ちゃんを授かるまでに1,000万円かかった」という人もいます。気になる費用とともに、高額な不妊治療の費用を軽減するための方法について紹介していきます。

1.不妊治療にかかる費用や期間

不妊治療の費用や期間はどれくらいかかるのでしょうか。

NPO 法人Fine(ファイン)が行った、不妊治療の経済的負担に関するアンケートによると、日本で不妊治療を受ける夫婦が通院を開始してからの治療費の総額は、100万円以上が半数を占めていました。

また、不妊治療期間の平均は2~5年が4割ほどで、長期間にわたって金銭的な負担がかかっていることを示しています。

初期の頃の検査や治療では、健康保険が使える場合も多いのですが、人工授精以降になると一部を除いてほぼ全てが実費となります。

また、これだけのお金をかけても、確実に妊娠・出産ができるというわけではないので、途中で治療を断念したり、お金が続かなくなったりして、子供を持つことをあきらめた夫婦も少なくないようです。

不妊治療の状況をもう少し見ていきましょう。

 

1-1.アンケートから見た不妊治療にかかる費用

不妊に悩む人を支援するNPO法人Fineが、不妊治療をしている当事者約2000人にアンケートしたところ、不妊治療を受けた人の55%が、総額100万円以上の治療費を負担しているという結果があります。

この不妊治療に関わる調査は、1回目が2010年に行われ、続いて2回目として、2012年12月~2013年3月の間に行われました。

アンケートには、Fineの会員や、不妊体験者の1993人が回答しています。

回答者の年齢層は、
25歳未満が0.6%、
25~30歳未満が9.9%、
35~40歳未満が37.1%、
40~45歳未満が21.0%、
45歳以上が4.1%でした。

30 代が64.4%とその大半を占めており、次いで多かったのが40~45 歳未満でした。

調査の結果、通院を始めてからの治療費が、100万円以上かかった人の内訳は、以下の通りです。

100万~200万円未満  24.8%
200万~300万円未満  15.2%
300万~500万円未満  10.6%
500万円以上      4.6%

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出所:「不妊治療の経済的負担に関するアンケート Part2」 NPO 法人Finehttp://j-fine.jp/prs/prs/fineprs_keizaipart2_1304.pdf

また、体外受精、顕微授精などの、ART(Assisted Reproductive Technology:生殖補助医療または高度生殖医療)を受けると、平均治療にかかる費用はさらに高くなっています。

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出所:「不妊治療の経済的負担に関するアンケート Part2」 NPO 法人Finehttp://j-fine.jp/prs/prs/fineprs_keizaipart2_1304.pdf

 

 

1-2.不妊治療の費用

アンケート結果からも不妊治療には、高額な費用がかかることがわかりました。

しかし、不妊治療といっても、治療方法は1つだけではありません。

費用は安価なものもあれば、高額なものもあります。

これらの治療にかかる総額が、不妊治療の費用になります。

不妊治療を大きくわけると、以下のように分類されます。

(安価)医師がホルモン検査などから排卵日を推測し、指定した日に性行為を行うタイミング法(比較的安価)精子を子宮内に直接注入し、卵子と精子が出会う確率を高める人工授精(高額)体内から取り出した卵子と精子の受精を体外で行う体外受精(高額)顕微鏡で見ながらピペットを使って卵子の中に直接精子を注入する顕微授精

不妊治療は保険適用内と、保険適用外にわかれます。

不妊治療の内容と金額について、詳しく見ていきましょう。

 

1-2-1.保険適用内の費用

初期の一般不妊治療(保険適用範囲)としては、以下の治療があります。

・検査(ホルモン検査・精液検査・子宮卵管造影検査など) 1,000〜3,000円
・タイミング法 3,000〜8,000円
・排卵誘発(注射) 1,000〜3,500円
・腹腔鏡下手術 140,000〜380,000円  など

 

1-2-2.保険適用外の費用

高度生殖医療(人工授精や体外受精:自由診療)としては、以下の治療があります。

・人工授精 1~3万円ほど
・体外受精 20万円~60万円ほど
・顕微授精 250,000円〜500.000円ほど  など

体外受精や顕微授精は高額な治療となっています。

これらの治療については、助成が得られることがありますので、後ほど説明したいと思います。

金額に幅があるのは、同じ治療でも、医療機関の立地や設備、関わるスタッフの数などにより、費用は変わるからです。

 

1-3.治療のスケジュール、期間

アンケートからも治療期間で最も多かったのは、2年~5年未満の861 人(43.2%)、次いで1年~2年未満の544人(27.3%)、3番目は1年未満の295人(14.8%)、4番目が5年~10年で268 人(13.4%)でした。

長期にわたる不妊治療の結果、無事に子供を授かったものの、高額な不妊治療に使ってしまい貯金が底を尽いたという人もいるようです。

子供が小さいうちはそれほどお金もかかりませんが、だんだん大きくなってくると食費・学費などの負担が増えてきます。

特に、学費は選ぶ学校によってかかることもありますので、治療の先のことも考慮した上で、治療の計画を立てることが大切です。

また、不妊治療を行う場合、夫婦がある程度の年齢に達している場合、子どもが成人する前にリタイアの年齢に達することも考えられます。

もちろん子どもは授かりものですから、計画通りに進むことではありませんが、ある程度のスケジュールや期間を夫婦で話し合っておくことが、必要な場合もあるかもしれません。

 

2.不妊治療費用を軽減する方法

2-1.活用できる助成金

2-1-1.特定不妊治療(体外受精・顕微授精)への助成

不妊治療に取り組んでいる人の経済的な負担を軽くするために、厚生労働省は「不妊に悩む方への特定治療支援事業制度」を設けています。

高度生殖医療の不妊治療を受けている場合は、国から助成金を受け取ることができます。

この助成金は「特定不妊治療助成制度」と呼ばれ、体外受精または顕微鏡受精の、不妊治療を受けた際に適用となります。

特定治療支援事業の概要は以下の通りです。

対象者:体外受精・顕微授精以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、またはきわめて少ないと医師に診断された、法律上婚姻をしている夫婦。助成限度額:1回15万円(凍結胚移植(採卵を伴わないもの)及び採卵したが卵が得られない等のため中止したものについては、1回7.5万円)所得制限:730万円(夫婦合算の所得額)

出所:厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11908000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Boshihokenka/0000039732.pdf

助成を希望する場合には、住んでいる都道府県(政令指定都市または中核市の場合は市)へ、相談することになっています。

助成金の詳細については、各都道府県の地方自治体により異なるため、自分が住んでいる自治体の制度について確認しておく必要があります。

詳細は、「特定不妊治療費助成制度」、「お住まいの地域名」などを入れて、各都道府県のサイトで検索してみると情報を得ることができます。

また、該当する窓口などで確認するとよいでしょう。

例えば、横浜では、不妊治療のうち高額な医療費がかかる「体外受精」及び「顕微授精」と、特定不妊治療に至る過程の一環を行った場合に、経済的負担の軽減を目的として、健康保険が適用されない治療費の全部又は一部を助成しています。

横浜の場合、ホームページをみると、申請にあたっての注意事項として、助成対象となる1回の特定不妊治療が、終了した日から60日以内(必着)に申請するように記載されています。

申請期限を過ぎると助成金を交付できないとのことですので、どのような書類が必要なのか、締め切りなどは、しっかりチェックすることが大切です。

 

2-1-2.自治体独自の助成制度

都道府県独自の助成を行っているところもあります。

例えば京都府では、体外受精・顕微授精だけではなく、人工授精についても助成を行っています。

対象者

次の要件を満たす方が対象となります。
・京都府内の市町村に引き続き1年以上住所を有している御夫婦のうち,京都市内に住所を有している間に不妊治療を受けられた方
・各種健康保険に加入しておられる方
・人工授精に要した費用について,助成金を申請する場合は,法律上の婚姻をされている方助成金額等
京都市内に住所を有している間に受けられた治療に要した医療費の自己負担額を2分の1助成します。
ただし,助成額は1年度(4月1日~3月31日)の治療につき,おひとり当たり6万円(注)を限度とします。
(注)・ただし,人工授精を伴う不妊治療に係る助成額については,1年度おひとり当たり10万円が限度となります。

出所:京都市情報館http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000173095.html

市町村独自の制度があるか、確認してみるとよいでしょう。

 

2-1-3.企業の保険制度

企業独自の健康保険組合や共済会で、不妊治療を受けた従業員に対して、助成をしているところもあります。

例えば、ある大手自動車メーカーの健康保険組合では、以下のような助成をしています。

・特定不妊治療1回に対し1夫婦、上限5万円(※初回申請のみ上限10万円。(治療区分C.Fを除く))。
・男性不妊治療(精子を精巣または精巣上体から採取するための手術を行った場合)は1回の治療につき上限5万円
・1夫婦、補助回数は通算10回まで
・年度内(4月1日から翌年3月31日)の回数制限なし

また、保険会社からは、企業や健康保険組合向けに社員や組合員が、不妊治療をした際の費用を補償する商品ができたりしており、企業が福利厚生の一環として不妊治療をサポートするところも出てきているようです。

勤務先の企業の福利厚生についても確認するとよいでしょう。

 

2-2.高額療養費制度・医療費控除

助成を受けた人も、条件を満たすことできず助成を受けられなかった人も、高額療養費や医療費控除で負担を軽減することができます。

高額療養費制度は、公的医療保険における制度の一つで、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

高額療養費では、年齢や所得に応じて自己負担額が定められており、これを超えた時に、払い過ぎた医療費が返ってきます。

またいくつかの条件を満たすことにより、さらに負担を軽減する仕組みも設けられています。

保険の範囲内である検査や、タイミング法の費用が高額になった場合は、ぜひ利用しましょう。

高額療養費の支給申請は、加入している公的医療保険・健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合などに、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられます。

さらに不妊治療は医療費控除の対象になります。

確定申告で医療費控除を申請すれば、所得税が還付され、翌年の住民税が安くなります。

医療費控除は、所得税や住民税の算定において、ご自身またはご自身と生計をいっしょにする配偶者その他の親族のために医療費を支払った場合に、受けることができる一定の金額の所得控除のため、保険給付の一種である高額療養費とは別の制度になります。

 

 

3.まとめ

不妊治療にかかる費用や期間、そして不妊治療費用を軽減する方法についてみてきました。

アンケート調査によると、不妊治療にかかる費用は、総額100万円以上が半数を占めており、不妊治療期間の平均は2~5年が4割ほどで、長期間にわたって金銭的な負担がかかっていることを示していました。

不妊治療と一言でいっても治療方法はいろいろあり、費用は安価なものもあれば高額なものもありました。

これらの治療の中で、体外受精、顕微授精は高額な費用がかかるため、国で特定不妊治療助成制度として助成を行っています。

不妊治療を行っていて費用を軽減する方法として、検討してみるとよいでしょう。

その他にも自治体独自の助成制度、企業の保険制度による助成もありますので、条件等に該当するか調べて、こちらも活用できるか検討するとよいでしょう。

また、助成を受けた人も、条件を満たすことできず助成を受けられなかった人も、高額療養費制度や医療費控除で負担を軽減することができます。

 

 

 


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