後悔する前に知っておきたい!初めてでもわかる不妊治療とその検査

sebagee / Pixabay

「なかなか妊娠しない…」そんな悩みを抱える方が増えています。

テレビや雑誌でも特集が組まれることもあり、 不妊症、不妊治療という言葉を 誰もが知るようになりました。

そして、不妊治療と聞くと、 すぐに人工授精や体外受精を思い浮かべて、 不安になったり怖くなっているかもしれません。

しかし、これらは不妊治療の一部でしかなく、 実際には、排卵日に合わせて性交をするタミング法など、 自然妊娠をするための方法があります。

不妊治療とは、 決して人工的な妊娠のことではありません。

「不妊症かもしれない…」こんな不安を感じた時には、 芸能人や海外の有名人の話に翻弄されず、 まずは正しい情報を手にいれることが重要です。

・不妊症とはなんなのか
・不妊治療とはどのようなことをするのか
・自分たちの場合は不妊治療が必要なのか

このような全体を見てから、 現状と照らし合わせて、 落ち着いて考えることが大切です。

そこで今回は、不妊治療について考え始めた方にも 役立てていただけるように、 不妊治療や検査について、 わかりやすくまとめました。

不妊症かもしれない、 この先どうしたら良いのかわからないなど、 不安に感じている方は参考にしてください。

 

 

 

 

1.不妊治療とは

日本産婦人科学会によると、「妊娠を望む健康な男女が、 避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、 1年以上妊娠しないもの」

これを不妊と定義しています。

通常、妊娠する確率は、 半年で50%、1年で80%、2年で90% などと言われています。

しかし、赤ちゃんを望んでいるのに、 1年以上妊娠しない場合が不妊とされます。

そして、何らかの治療をしないと、 その後、自然妊娠する可能性の低い状態を、 不妊症と言います。

1-1.不妊治療の原因

不妊症の原因は女性だけでなく、 男性、もしくは両方にみられます。

不妊症は女性が原因だと思われがちですが、 およそ4分の1は男性に原因があり、 どちらにも原因がある場合は、 24%というデータがあります。

不妊症は女性だけの問題ではないのです。

もちろんどちらか一方に責任があるのではなく、お互い協力しあうものが不妊治療です。

ただ、やはりなぜ妊娠しないのか、 その原因を知ることは必要です。

女性、男性それぞれに考えられる原因は、 次の通りです。

【女性側に考えられる原因】

・排卵因子
・卵管因子
・免疫因子
・子宮因子

【男性側に考えられる原因】

・造精機能障害
・精路通過障害
・性機能障害

これらの原因が見られると、
排卵→受精→着床という妊娠過程に、
問題を起こしてしまいます。

また、この他に、年齢が上がると、 妊娠の確率が減っていきます。

具体的には、20歳前後がもっとも妊娠しやすく、 30歳台後半以降は、徐々に妊娠が難しくなると言われます。

日本でも晩婚化が進み、 平成26年の厚生労働省の資料によると、 平均結婚年齢が妻29.4歳、夫31.1歳となっています。

このような晩婚化も、 不妊症に悩む方が増えている原因となっています。

 

1-2.不妊治療のステップアップ

不妊症というと、 人工授精や体外受精という言葉を思い浮かべ、 不安や恐怖を感じていないでしょうか。

テレビや雑誌などのメディアでは、 芸能人や海外の有名人が、 人工授精や体外受精をという話ばかりなので、 仕方がないかもしれません。

しかし、実際には、 なかなか妊娠しないと言っても、 いきなりこのような治療が始まることはありません。

まずは、不妊の原因を調べ、 その原因に合わせた治療が行われます。

具体的には、

1.タイミング法(排卵誘発法)
2.人工授精
3.体外受精

このような治療方法が、順番にステップアップして行われます。

 

 

2.不妊治療の3ステップ

・不妊治療は大変
・精神的にも肉体的にも苦しい
・費用もかかってしまう

不妊治療というと、 このようなイメージを持たれているかもしれません。

しかし、必ずしも薬や高度な医療が、 必要となるわけではありませんし、 不妊治療は、人工的な妊娠だという考えも間違いです。

一般的には、不妊の原因を検査し、 その原因に合わせて、 次の3ステップで治療が進められます。

2-1.タイミング法

これは、自然周期に合わせた治療のことで、 簡単に言えば、妊娠しやすい日を予測して、性交日のタイミングを合わせるというものです。

排卵→受精→着床という妊娠過程の、 排卵部分に対する治療法です。

一般的には、排卵日の2日前から排卵日までが、 妊娠しやすいと言われています。

この排卵日を予測するためには、 基礎体温表をつけたり、 超音波検査やホルモン検査が行われます。

このタイミング法は、 特に月経不順、排卵障害、 排卵日が不安定な場合に効果があります。

タイミング法は、 6回から12回(半年から1年間)まで取り組まれますが、 数ヶ月続けても妊娠が見られない場合には、 排卵誘発剤を併用することがあります。

これは排卵を促して、 妊娠しやすくする方法です。

このタイミング法で妊娠しない場合には、 人工授精が検討されます。

 

 

2-2.人工授精

1

(出典:六本木レディースクリニック https://www.sbc-ladies.com/infertility_ippan/about_made.php)

妊娠は、排卵、受精、着床の順番で進みますが、 受精の過程に対する治療方法が人工授精です。

具体的には、採取した精液を、 排卵日に合わせて直接子宮に注入することで、 受精しやすい状況にする治療方法です。

最近の人工授精では、採取した精液の中から、優良な精子を取り出して注入される方法が一般的です。

タイミング療法と同じように、 排卵日を誘導するために、 排卵誘発剤が使われることもあります。

人工授精で妊娠した方の9割が、5回から6回目までに妊娠しているという報告があり、 多くの施設では、 5回から6回まで人工授精に取り組まれます。

この期間でも妊娠が見られない場合には、 体外受精が検討されます。

 

 

2-3.体外受精

 

2

(出典:大谷レディスクリニックhttp://www.ivf.co.jp/?page_id=121)

体外受精とは、 排卵→受精→着床までを、 人工的に行う治療方法です。

人工授精は受精しやすい状況にする治療法であり、 受精から着床までは、自然周期と同じになります。

一方で、体外受精は、採取した卵子と精子を体外で受精させ、 培養(発育)した受精卵を子宮に戻す方法です。

 

 

 

3.不妊治療の検査を受けるタイミング

不妊治療を始める前には、 まず不妊の原因を判断して、 治療方法を選択するための検査が必要です。

ただ、どのタイミングで病院を受診すればいいのか わからない方がほとんどだと思います。

もしくは、病院を受診した方がいいのか、 このままでは妊娠しないのかと不安な方も いらっしゃると思います。

そこで、どのタイミングで受診すると良いのか、 3つの視点で考えてみます。

 

3-1.生理周期によるタイミング

一つ目に、検査を受ける日は生理中でもいいのか、 月経後の方がいいのか、 そんな疑問があると思います。

このような生理周期から見た受診時期は、 一般的には生理が始まって3日以内と言われます。

ただ、不妊治療の検査は、生理周期ごとの検査方法があるため、 検査に1〜2ヶ月かかることがあります。

そのため、初診の場合には、どのタイミングで受診しても構いません。

初診の診察後に、 医師からその後の予定の説明があります。

 

 

3-2.不妊期間によるタイミング

不妊とは、避妊をせずに性交をしていても、 1年以上妊娠しない場合のことを言います。

このような場合には、 検査を受けるタイミングだと言えます。

また、年齢が上がるにつれて、 妊娠の確率は下がるという事実があります。

WHO(世界保健機関)では、女性の年齢が35歳以上の場合には、 6ヶ月の不妊期間が経過した後は、 検査を開始することは、認められると提唱しています。

日本でも不妊期間が1年経っていなくても、 検査や治療を開始するという考えが広まっているため、 1年という期間にこだわる必要はないと言えます。

妊娠を希望しているけど、 なかなか妊娠しないという場合には、 受診を検討してもいいのではないでしょうか。

 

 

3-3.男性が不妊治療の検査を受けるタイミング

女性だけではなく、 男性の不妊症検査もあります。

男性の不妊治療の検査としては、 精液検査があります。

この検査を受ける場合には、 4〜5日間の禁欲期間が必要になります。

ただ、初診時にいきなり精液検査をすることは 少ないと思いますので、まずは、パートナーと一緒に受診をして、 不妊症や検査についての話を聞くことが大切です。

初診の後に、精液検査が必要な場合には、 医師から詳しい説明があります。

 

 

 

4.不妊治療の検査項目と内容

不妊治療の検査は、 生理周期や治療段階ごとの検査や、 女性、男性それぞれの検査があります。

ここでは、 不妊治療を考え始めた方にもわかりやすいように、 性別ごとの検査項目と、 その内容についてお伝えします。

4-1.女性の不妊治療検査

基礎体温
基礎体温とは、 体が一番安静な状態にある、 寝起き直後の体温のことを言います。

女性の場合には、 この基礎体温が生理周期によって変動します。

そのため、基礎体温を毎日測定して、 その変化を見ていくことで、 生理周期を把握することができます。

タイミング法は、 排卵日に合わせて性交をする方法ですが、 基礎体温を測定することによって、 生理周期から排卵日を予測することができます。

最近では、スマホのアプリを利用すると、 基礎体温を簡単に記録することもできます。

無料のアプリもあるので、 一度確認してみてはいかがでしょうか。

インターネットで、 「基礎体温 アプリ」と検索すると、 すぐに見つけることができます。

初診の前から基礎体温を測定していると、 診察やその後の検査も進めやすくなります。

ただし、基礎体温の測定だけでは、 確実に生理周期や排卵状況を 判断することはできないため、 他の検査も併用されます。

超音波検査
超音波検査は、 膣内に専用の機器を挿入し、 子宮や卵巣の状態を画像で確認する方法です。

初診時に、この検査でわかることは、 次のようなものです。

・子宮の状態
・子宮筋腫の有無
・子宮腺筋症の有無
・卵巣の状態
・卵巣嚢腫の有無
・子宮内膜の厚みや状態

超音波検査は、 不妊治療が開始された後も、 頻繁に行われる検査です。

卵胞の大きさや数から排卵日を予測したり、 排卵があったかどうかの確認にも行われます。

さらに、排卵日の予測には、 基礎体温や超音波検査と合わせて、 ホルモン検査も行われます。

ホルモン検査(血液検査)
生理周期は、 脳からの指令を伝えるホルモンによって、調節されています。

そのため、ホルモン検査をすることで、 排卵日の予測や不妊症の原因を調べることができます。

ホルモン検査は、採血した血液から調べることができます。

具体的には、 次のようなホルモン値を検査します。

・エストロゲン(卵胞ホルモン)
・プロゲステロン(黄体ホルモン)
・FSH(卵胞刺激ホルモン)
・LH(黄体化ホルモン)
・AMH(抗ミュラー菅ホルモン)
・プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)

フーナーテスト(ヒューナーテスト)
3
(出典:徳島大学病院産婦人科 http://www.tokudai-sanfujinka.jp/Patient/examinations.html)

フーナーテストとは、 性交後に、子宮内の精子の状態を確認する検査です。

精子と卵子が受精するには、 精子が子宮頸管を通過して、 子宮内に移動することが必要です。

そのため、子宮頚管粘液を注射器などで採取し、 この粘液中の運動している精子の数(運動率)を 顕微鏡で観察して判定します。

フーナーテストを受けるタイミングは、 排卵日に合わせた性交後、2〜3日以内です。

この検査は、体調などで精子の運動率が変わるため、 数回にわたって実施されることがあります。

子宮卵管造影検査
4

(出典:徳島大学病院産婦人科 http://www.tokudai-sanfujinka.jp/Patient/examinations.html)

この検査では、子宮内に入れた管から造影剤を注入し、 X線(レントゲン)写真を撮ります。

胃腸のバリウム検査と同じ原理です。

造影剤(バリウム)が注入された部分は白く写るため、 子宮の形や卵管のつまりがないかを、確認することができます。

卵管とは精子と卵子が出会う場所のことで、 ここがふさがっていると受精することができません。

この検査は造影剤を注入する時に、 下腹部の違和感や痛みを感じることがあります。

特に、卵管が詰まっている場合には、 強い痛みを伴う場合もあります。

また、この検査によって卵管が広げられ、 卵管の通りが良くなることがあり、 検査後3ヶ月ほどは、妊娠しやすくなるとも言われています。

通気検査
この検査も卵管の通過性を確認するものですが、 造影剤にアレルギーがある場合には、 代わりに二酸化炭素を子宮内に注入して検査をします。

卵管につまりが無い場合には、 このガスがお腹の中に漏れてきます。

この時のガスが漏れる音や、 子宮内の圧力の変化を調べることで判断します。

 

 

4-2.男性の不妊治療検査

精液検査
4〜5日間の禁欲期間の後、射精された精液中の精子の状態を調べる検査です。

精液量、精子濃度、運動率、奇形率、生存率、 白血球数などを調べます。

精子の状態は、 体調によっても左右されるため、 結果を見て再検査が行われることがあります。

ホルモン検査(血液検査)
精液検査の結果、 詳細な検査が必要になる場合には、 採血した血液を調べるホルモン検査が行われます。

ホルモン検査によって、 精子の生産に関わるホルモンの状態を調べます。

検査項目は次の通りです。

・テストステロン(男性ホルモン)
・プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)
・FSH(卵巣刺激ホルモン)
・LH(黄体化ホルモン)

精巣生検
精液検査の結果、 精子が産生されない無精子症や、 精子の数が少ない乏精子症が、わかった場合に行う検査です。

精子を造る精巣の一部を取り出して、 顕微鏡で精巣の機能を調べます。

この検査では、精子を産生する過程の、 どこに問題があるのかがわかります。

染色体検査・遺伝子検査
無精子症や乏精子症の原因を調べるために、 遺伝子情報の元になる染色体や、 遺伝子の検査を行います。

この検査は、 採血した血液から検査をすることができます。

 

 

 

5.後悔しない!不妊治療や検査を受ける病院の選び方

不妊治療や検査を受ける時に、 病院選びはとても重要になります。

ポイントは次の3つです。

・信頼できる医師を選ぶ
・通院しやすい場所にある
・不妊治療の専門医と設備がある

5-1.信頼できる医師を選ぶ

信頼できる医師というのは、 インターネットの口コミや、 テレビや雑誌で、名医と言われる医師のことではありません。

もちろん、3つ目のポイントでもあるように、 不妊治療や検査について、 専門的な知識や技術があることは重要です。

ただ、不妊治療や検査というのは、 身体的にも肉体的にも、 とてもデリケートな内容です。

風邪を引いたり、 熱を出した時に病院を受診するのとは違い、 数ヶ月から年単位での付き合いが必要になります。

いくら名医と言われていても人間ですので、 相性の合わない医師もいます。

長期的に良い関係を続けられる 医師を選ぶようにしましょう。

そのためには、やはり直接会って話をすることが一番です。

パートナーと一緒に受診して、お互い納得できて、 信頼できる医師を探しましょう。

 

 

5-2.通院しやすい場所にある

不妊症の検査は、 生理周期に合わせて実施されるため、 1ヶ月から2ヶ月かかります。

その後、不妊治療が始まれば、 排卵日の前、性交後、生理後など、 定期的な通院が必要になります。

もし、交通の便が悪かったり、 長時間かかるような病院を選ぶと、 通院するだけで大きな負担になってしまいます。

そのため、 繰り返し通院する可能性があることを踏まえて、 病院を選ぶことが大切です。

・通院時間はどれくらいかかるか
・交通の便は良いか
※職場から通院する可能性がある場合は、 職場からのアクセスも確認する。

この2つのことは、 確実に確認しておきましょう。

 

 

5-3.不妊治療の専門医と設備がある

不妊治療の検査は、 産科、婦人科、泌尿器科などで受けることができます。

かかりつけの病院があれば、 まずはそこで相談するのもおすすめです。

かかりつけ医に、 どんな治療や検査ができるのかを確認しましょう。

必要があれば、より専門的な病院を受診できるように、紹介状を書いてもらうことができます。

ただ、やはり不妊治療や検査は、 専門的な領域になるため、 専門医や医療設備が必要になります。

何度も病院を転々とするのは、 肉体的にも精神的にも負担が大きくなります。

最近では、不妊治療専門の病院が増えているので、 迷った場合は、専門病院を受診するのがいいでしょう。

 

 

 

6.まとめ

日本でも不妊症で悩む人が増え、 メディアでも不妊治療がよく取り上げられます。

そのため、不妊治療とは、 人工授精や体外受精というイメージが、できていると思います。

そして、自分たちも不妊症かもしれないと思い始めると、 このような治療をしなくてはならないのではないかと、 不安や恐怖を感じてしまうかもしれません。

でも、まず安心していただきたいのは、 メディアの報道は不妊治療の一部だけを取り上げていて、 不妊治療とは、人工的な妊娠のことではないということです。

自然に妊娠する手助けをする方法もあります。

性交日のタイミングを合わせることで、 薬や人工的な治療をしなくても、 妊娠する可能性があるのです。

まずは、メディアの断片的な情報に惑わされず、不妊や不妊治療について理解することが大切です。

そのためには、 自ら情報を集めることや、 信頼できる医師を見つけることも重要です。

信頼できる医師が見つかったら、 相談をしながら不妊治療や検査を進めましょう。

不妊治療の検査にも様々なものがあります。

納得できないまま検査を受けては、 肉体的に精神的にもストレスが膨れ上がります。

・不妊症や不妊治療の知識や情報を集める
・信頼できる医師を見つける
・納得の上、検査や治療を進めていく

このステップを踏むことで、 不安や恐怖を軽減しながら、 目的に向かって進めるのではないでしょうか。

今回の記事が、 そのためのお役に立てれば幸いです。

 

 

 


あわせて読みたい


不妊治療の諦め時を見つけるための6つの方法

高額な不妊治療費用を軽くするための4つの方法とは

気づかないでいた生理不順が漢方ですんなり改善できるって本当?

冷え性を放置すると危険?!体を芯から温める5つの雑学を詳しく紹介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA