「あなたにも潜んでいる?11項目の数値から読み解く肝臓の病気とは?」

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健康診断で血液検査の結果が出ても、 たくさんの見たこともない項目があって、わかりにくいですよね。

結果が「要再検査」と出ていても自覚症状がないからと言って、 病院受診せずに、忙しさを理由に放置していませんか?

特に肝臓は沈黙の臓器と言われ、 病気が悪化するまで自覚症状が現れにくい臓器の一つです。

手遅れになる前の早期発見がとても重要です。

今回はそんな肝臓の血液検査の数位が示す 意味について解説していきます。

 

 

 

1.肝臓の機能を知しりたい時に見るべき検査項目は?

一般的な血液検査ではおよそ37項目の結果が、 一度に調べることができます。

37項目の内、肝臓の機能を表す項目は11項目です。

今回はその一つひとつについて説明していきます。

 

1-1.まずは知っておきたい肝臓の主な3つの機能

栄養をエネルギに代謝する
胃や腸で吸収された栄養素は血液を通して、肝臓に運ばれます。
そして、肝臓ではその運ばれてきた栄養素が、 体内で使われやすい形に変換する働きがあります。

・有害物質を解毒する
体内に取り入れられた、薬やアルコールなどの有害物質は、 肝臓に運ばれ無毒化されます。

・胆汁を作る
肝臓では脂肪の消化・吸収に必要な胆汁を作っています。

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1-2.なぜ、血液検査で肝機能の異常がわかるのか?

心臓から運ばれてきた血液の内、その25%が肝臓を流れます。

量にすると、1分間に1000ml~1800mlもの血液が肝臓を流れているのです。

肝臓が正常に機能している場合は、大量の血液が流れていても問題ありませんが、何らかの異常で肝臓の細胞に問題が生じると、 肝臓内の成分が血液中に漏れ出してしまいます。

そのため、血液検査をすると、 血液中に漏れ出した成分の値が高く出るのです。

 

 1-3.血液検査項目の正常値

肝機能を知るための11項目とその正常値

検査項目 基準値
AST(GOT) 30以下
ALT(GPT) 30以下
γ-GTP 50以下
ChE(コリンエステラーゼ) 109-249
総ビリルビン 120~245
ALP(アルカリフォスファターゼ) 104-338
総タンパク 6.5~8.0
アルブミン 4.0以上
血小板 15万~34万
総コレステロール 140~199
γ-グロブリン 10.8~24.2%

 

・AST
元々細胞の中に含まれている酵素です。
肝臓の障害によって、肝細胞が破壊されると、 血液中にこの酵素が溢れ出してきます。
肝機能の状態を知りたい時はALTとセットでまずは見るべき検査項目です・

・ALT
ASTと同様で、肝細胞の中に含まれている酵素です。
肝臓の障害によって、肝細胞が破壊されると、 血液中にこの酵素が溢れ出してきます。
肝機能の状態を知りたい時はASTとセットでまずは見るべき検査項目です。

・γ-GTP(ガンマ-GTP)
 γ-GTPは胆管で作られ、解毒作用に関わる酵素です。
γ−GTPが単独で高い時はお酒を飲みすぎが原因です。
しかし、AST、ALTとセットで高い時は脂肪肝や薬剤性肝障害を疑います。

・ChE(コリンエステラーゼ)
肝臓で作られ、血液中に放出される酵素のひとつです。
脂肪肝の場合はChEn値が高くなり、 肝硬変の場合はChEの値が低くなります。

・総ビリルビン
ビリルビンとは、古くなった赤血球の中の ヘモグロビンという物質から作られる黄色の物質です。
胆管を通って、小腸、大腸を経て、最終的には便となって排出されます。
肝機能が低下し、胆汁が作られない、あるいは胆道が閉塞している場合に、 ビリルビンがきちんと流れなくなり、ビリルビンが血液中に溜まって全身に運ばれます。
そうすると、血液を介して運ばれたビリルビンは皮膚や白目を黄色にさせます。

・ALP(アルカリフォスファターゼ)
ALPは肝臓以外にも、腎臓や骨、小腸など広く存在する酵素です。
ALPが存在する臓器の組織が破壊されると血液中にALPが溢れ出します。
肝臓の場合は、胆汁中にALPが流れ出します。
胆汁が流れている胆管が腫瘍や結石などで閉塞していると 行き場をなくした胆汁からALが血液中に溢れ出します。

・総タンパク
食事で摂取したタンパク質は肝臓で各種のタンパクに合成されます。
そして、血液中に放出され、全身で利用されます。
総タンパクの数値が低くなると、肝機能が低下して、肝細胞でタンパク合成が十分に行われなくなった状態が考えられます。

・アルブミン
アルブミンは肝臓で作られるタンパク質の一種で、総タンパクの50%以上を占めます。
肝機能が低下すると、肝細胞でタンパク質を作り出す機能も低下し、 それに伴い、血液中のアルブミン量は低下します。
血液中に放出されたアルブミンは血液中の水分量を調節する働きがあるので、 アルブミンが減少すると足がむくんだり、腹水が増えたりします。

・血小板
血小板は骨で作られ、脾臓(ひぞう)で壊される血液中の成分です。
血液中に存在し、血が出た時に血を止める役割があります。
肝硬変になると、脾臓も腫れて大きくなり、 より多くの血小板・赤血球・白血球などが脾臓に溜まって破壊されるため、 血液中の血小板は減少します。

・総コレステロール
コレステロールは脂質の一種で食事からも摂取されますが、 大部分は肝臓で作られます。
肝機能が低下すると肝臓でコレステロールを作ることができなくなるので 総コレステロールが低下します。

・γ-グロブリン
γ-グロブリンはアルブミンと同じタンパク質の一種です。
γ-グロブリンは免疫作用に重要な役割を果たす物質です。
肝機能が低下すると、アルブミンは低下しますが、γ-グロブリンの量は増加します。

 

 

 

 

 2.血液検査から予測される肝臓の病気

それぞれの血液検査の数値が異常であった場合、 それらから考えられる肝臓の病気を挙げました。

検査項目 考えられる肝臓の病気
AST(GOT) 高いと:肝炎、脂肪肝
ALT(GPT) 高いと:肝炎、脂肪肝
γ-GTP 高いと:胆汁のうっ滞、

アルコール性肝障害、

脂肪肝、薬剤性肝障害

ChE(コリンエステラーゼ) 低いと:肝硬変、劇症肝炎

高いと:脂肪肝

総ビリルビン 高いと:肝炎、肝硬変、胆汁のうっ滞
ALP(アルカリフォスファターゼ) 高いと:胆汁のうっ滞、胆管閉塞、

アルコール性肝障害

総タンパク 低いと:栄養不良、肝臓病

高いと:自己免疫性肝疾患

アルブミン 低いと:肝硬変、劇症肝
血小板 低いと:慢性肝炎、肝硬変

高いと:高脂血症、胆道の異常

総コレステロール 低いと:肝硬変、劇症肝炎
γ-グロブリン 高いと:慢性肝炎、肝硬変

※胆汁のうっ滞とは、胆汁が正常に流れず、一定の場所に停滞してしまうことです。

これらは、あくまでも予測されるものなので、 必ず病院受診をし、精密検査を受けましょう。

 

 

 

 

 3.肝臓の数値を改善させる為の正しい食事方法

検査の数値が異常値だったとしても、慌てることはありません。

食生活を見直すだけでも、数値が改善されることはよくあります。

まずは、あなた自身でできることからはじめましょう。

 

3-1.1日3食を厳守する

不規則な食事は生体リズムを乱し、肝臓にも負担をかけますので、 規則正しい食事を行いましょう。

 3-2.食べ過ぎない

エネルギー量を適正にしましょう。

食べ過ぎると内臓脂肪や肝臓に脂肪が蓄積し、脂肪肝や肥満の原因になります。

まずは、あなたに必要なエネルギー量を知りましょう。

標準体重=(身長(㎝)−100)×0.95

例:身長175㎝の場合、(175−100)×0.95=71.25kg

1日に必要なカロリー=標準体重(kg)×25~30kcal

例:71.25kg×30=2137.5kcal

このように、あなたにとって必要なエネルギー量を知り、 食べすぎないように心がけましょう。

 

 3-3.ビタミン

肝機能が低下すると、 肝臓での栄養素の代謝に必要な各種ビタミンが不足します。

ビタミンA群:免疫力を高めがんを予防する働きがあります。

ビタミンB群:肝臓でアルコールを代謝する時に必要です。

お酒を飲む時は特に意識して摂りましょう。

ビタミンC群:免疫力アップ、がん予防、細胞や粘膜を強化するなど健康に重要なビタミンです。

知っておきたいビタミン豊富な食材

ビタミンA群 あん肝、モロヘイヤ、人参
ビタミンB1 豚ヒレ肉、うなぎの蒲焼、グリンピース
ビタミンB1 牛乳、カレイ、ヨーグルト、モロヘイヤ
ビタミンB6 マグロ、カツオ、鮭
ビタミンB12 生ガキ、アサリ、しじみ
ビタミンC群 芽キャベツ、菜の花、赤ピーマン

 

 3-4.食物繊維

食物繊維をたっぷり摂りましょう。

腸に便が溜まるとアンモニアが発生します。

このアンモニアを分解するのも肝臓の役目です。

便秘がひどいと肝臓の負担が大きくなりますので、便通を促す食物繊維を十分にとりましょう。

食物繊維が多い食材
野菜:キャベツ、アスパラガス、レタス、とうもろこし、さつまいも、ごぼう
豆類:いんげん豆、大豆、おから
海藻類:昆布、わかめ
穀類:玄米、ライ麦

 

 3-5.良い脂質を取りましょう

多すぎる脂質の摂取も肝臓に負担になります。

肉より脂肪の少ない魚を多く取りましょう。

また、肉なら脂肪の少ない部位を選びましょう。

また、余分な油を摂取しないように、食材は揚げずに、焼きましょう。

脂質にはコレステロール増やす脂肪酸(良い脂肪)と、コレステロールを下げる脂肪酸(悪い脂肪)があります。

コレステロールを増やす脂肪酸:肉、バター、ラード、パーム油、ヤシ油、スナック菓子
コレステロールを減らす脂肪酸:青魚、オリーブオイル、ナッツ類、ごま油

 

 3-6.糖質はご飯から摂る

肝臓にとって糖質も必要な栄養素です。

糖分は分解されると肝臓のエネルギー源になります。

不足すると肝臓は無理をしてタンパク質を エネルギー源に変えようとがんばりますので、 肝臓に負担がかかります。

糖質は人間にとって主要なエネルギー源となりますので、 ごはんなどの主食から取りましょう。

甘いお菓子やジュースなどには脂質に変わりやすい ショ糖が使われていますので控えましょう。

 

 3-7.質の良いタンパク質バランス良く摂る

タンパク質は肝臓の修復に欠かせない栄養素です。

肝臓の細胞はタンパク質からできています。

ダメージを受けた肝臓には材料であるタンパク質が必要です。

また、肝臓には代謝や解毒など細胞の働きを助ける酵素が、 何百種類もありますが、この酵素もタンパク質でできています。

タンパク質には動物性と植物性がありますが、 それぞれアミノ酸の構成が異なりますので、 両方をバランス良く摂取しましょう。

質の良いタンパク質が含まれる食材

大豆:畑の肉と言われる良質な植物性タンパク質。
脂肪肝を防ぐスレオニンやコレステロールの排出を促すグリシニンを含みます。
スレオニン、グリシンとはアミノ酸の一種です。

卵:卵はアミノ酸バランスが最も優れた食材で、体内で効率よく働きます。
コレステロールの取り過ぎを防ぐために、1日1個までにしましょう。

牛乳・乳製品:リジンが肝機能を高めます。
牛乳や乳製品は卵に次いでアミノ酸バランスに優れ、カルシウムも豊富です。
リジンは肝機能を高めたり、疲労回復に効果的なアミノ酸です。
イカ・タコ:イカやタコにはアミノ酸の一種で、肝機能を高めたり、 コレステロールを下げるタウリンが多く含まれています。

 

 

 

 

4. まとめ

肝臓は自覚症状が現れにくい臓器です。

自覚症状があるときには、すでに症状が進行しており、 治療をしても治癒しない場合がありますのです。

健康診断の結果を放置すると、 取り返しのつかないことになるかもしれませんので、すぐに病院(肝臓の専門である消化器内科)を受診しましょう。

また、検査数値に異常がない場合や治療の必要がない場合でも、 今回お伝えした食事方法は肝臓に負担をかけない食事法となっていますので、 ぜひ普段の生活に取り入れてみて下さい。

肝臓は人間にとって非常に重要な臓器であり、 常に休むことなく24時間働き続けています。

ですので、日頃から肝臓をいたわり、 健康的な生活を心がけましょう。

 

 

 

 


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